千日回峰行良く頑張りましたね。と注目されるのは満行式の時だけです。あとの999日は、暑い、寒い、痛い、苦しい。48000キロ歩かせて頂き、皆さんに誉めて頂けるのは、最後の数十メートルだけです。
いつもありがとうございます。
千日回峰行の達成者は、1300年で2人だけです。
千日回峰を満行した僧は大阿闍梨と呼ばれます。塩沼亮潤さんは吉野金峰山寺1300年の歴史で2人目となる大阿闍梨サマです。
回峰行は、大峯山の山頂まで上って帰ってくる往復48kmのコースを、千日間休みなく行います。期間は「山開き」の5/3から9/22までです。
ですので、万行までに9年かかります。
山開きの5月から10月の間、16時間かけて、毎日48キロの山道を1000日歩く修行です。
それが終わった後、四無行(寝ない、水飲まない、横にならない、食べない)で9日間、お堂に入りお経を唱える。
松ちゃんの放送室で、まっちゃん高須ちゃんが感動してた塩沼亮潤さんの本。事あるごとにリピートしてる大好きな本です。
放送室で取り上げられたのが2009年くらいで、『なんで世間はもっとコレを話題にせーへんねん!』とまっちゃんが力説してました。その影響か、何年か後にクレージージャーニーにも出演されてました。
放送で、松っちゃんが「なんでそんなに大変な事をするんですか?」と聴いたのですが、塩沼亮潤さんは「子供の時に修行僧を観て格好いいと思ったから」と言われていました。
つまり、修行をする『have to(~しなければいけない、なぜなら◯◯だから)』ではなく、終了をしたい『want to(~したい、なぜなら◯◯だから)』のモチベーションということです。
子供が寝ずにゲームをする。僕も、昔お酒をガンガン飲んで夜ふかししても、サーフィンに行くときは不思議に朝早く目が覚めていました。
塩沼亮潤さんのこの笑顔(19歳の時だそうです)は、確かに少年がヒーローを観る感じすらしますよね。僕も、少年ジャンプで、ミルマスカラスやタイガーマスクの覆面を購入し、なりきっていたりしましたので(笑)
修行は過酷を極め、行中のカラダのコンディションは、良いか悪いかではなく、悪いか最悪という状態。この状態で毎日48キロを10年近くかけて歩く。
しかし、注目されるのは「最後の数日」だけ。
最後は五感が研ぎ澄まされ、朝、庭を掃除に来る坊主のかすかな体臭で誰かを判断でき、お線香が灰になってポトリと落ちる音さえ分かるそうです。
『人生生涯小僧のこころ』は、そんな過酷な修行の、999日目の素直な感想だそうです。
『999日、今が1番良いなぁ。この心がずっと変わらなければいいな。体が言うことを聞くならずっと歩いていたい。限界がないならずっと行を続けていたい。人生生涯小僧でありたい』
修行をしてその先に観たものとは?
塩沼亮潤さんが修行をして、最終的に開いた悟りとは…
「今に感謝。人にやさしく」だそうです。
「足ることを知る」というのは与えられた環境をありがたく受け入れるということ。この環境は自分が神さま仏さまから授かったプレゼントだと思うことです。
命を削って、本当に最後の最後、人生で、人間として最も大事なのは何か?という答え。
言うがやすしですが、今ある環境がどんなに最悪なものであっても、前を向いて生きていく事が大事。そういったことを再認識させてくれる本です。