
『0ベース思考』という、以前読んだ本に、面白い話がありました。
寅さんを見てたら思い出したので。
ワインソムリエが行ったある実験とは?
ワイン評論家のロビンゴールドスタインという人が、ワインソムリエや初心者500人を集めて目隠し試飲会をします。
今でいうと、ガクトが出てる格付けみたいなモノですね。
集めた500人に対して、200円15000円のワインの試飲をランダムにさせたら、ソムリエはまあまあくらいのレベルですけど、明確に高いものを選ぶ事は出来ず、ソムリエ以外の人は、高い方が美味しくない、苦くてマズいと言ったそうです。
人間って、五感で色んな情報を判断、フィルタリングしてるわけで、この実験で、それって(バイアス)実はすごく邪魔な事だってあるって分かります。
バイアスって、分かりやすく言えば「先入観」みたいなものです。
つまり、ワインも、結局ラベルが無ければ『視覚』での判断が出来ないので、素人は普段高くて美味しいって思ってるワインの味を渋くてマズいと思い、ソムリエさえも、素人より正解率は上がったものの、高い方を美味しいと選ぶ確率は上がったものの、確信は殆どないくらいのフワフワした答えになります。
ボクたちの様々な判断は、プラスの方向、マイナスの方向、どちらも常に『かなりのバイアス』がかかっているってことです。
ベンツ乗ってるから成功者、お金持ち、ブランド品持ってるから成功者、お金持ちみたいな感覚です。
寅さんに対するトラヤの人たちのバイアスと、寅さん自体の思考のバイアス
寅さんの、この回に出てくるカノウサクジロウという人。
人間国宝と言われる全国区の人なんですけど、散歩している時、道端で鼻緒が切れて、寅さんに偶然会って、寅さんに鼻緒を直してもらうんです。
それが縁で、お礼に家に招待されるわけですけど、息子の家に同居してる肩身の狭いじいちゃんと勝手に決めつけ(決めつけて変な流れになるのは寅さんの定番ですw)
『じいさん、アンタもてーへん(大変)だな。頑張んなよ』みたいに同情します。
で、お礼にってことで茶碗を貰うんですけど、寅さんもいつもの性格で、トラヤに帰ってきた時に、サクラに渡す時『爺さんになんか皿貰っちゃった』って感じでヒョイって投げて渡します。
実は、皿を貰う時、弟子の人に、箱を勧められるのですが(人間国宝の皿なので)、寅さん『イラねーイラねー、そんなの邪魔になっちまわ』って生で貰います。
『また寅の奴が出店で貰ってきたか余りもんだろ』ってことで、おいちゃん、おばちゃん、サクラも雑に扱う。
実は、この皿、寅さんにあげる前に、別の人が見に来ていて、展示会に出す予定だったのです。
でも、師匠が寅さんにあげたので、せめて展示会の間だけでもお借り出来ないか?ということで、弟子がトラヤにお願いに来た。
お願いしに来てはみたものの、トラヤでは、トラヤではタコ社長の灰皿レベルの皿として使われていたというw
この前話した古典落語の『はてなの茶碗』と同じ感じですね
#寅さん
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